WWDC 2014 雑感


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今年の WWDC 2014 は、冒頭でハードウェアの発表はしないと宣言して始まった。メディア関係の人たちは、この時点で落胆したのではないだろうか。ここ数年では異例のことで、ハードウェアがないことで、中だるみしないのかな?と思っていたが、iPhone の発表以来のとても充実した内容だった。気になったところをピックアップしてまとめておこうと思います。

Swift

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まずは、新しい言語「Swift」が発表されたこと。Objective-C は、OS X の前進である NeXT の開発に用いられた言語で、C のオブジェクト指向拡張版となっている。Objective-C も改良が続いているものの、約30年ほと経過しており、最近のモダンな言語と表現が異なり、一風変わった言語となっていた。C ベースの関数モデルと Smalltalk ベースのメッセージモデルの混在である。Keynote でも「Objective-C without the C」という表現があったように、最近のモダンな言語表現とメッセージモデルへの完全な移行を計画しているのだろうと思われる。

iOS 8

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予定道り「iOS 8」も発表されました。今回はサードパーティへ QuickType、Touch ID、HealthKit、HomeKit、CloudKit、Metal など多数が開放された。サードパーティへの対応が優しくなっているのは、スコットからクレイグ体制へ変わったことなのでしょうか。

HealthKit はデバイス関係なくデータを一元管理できることは素晴らしいことで、どういったデータが管理されるかは不明ですが今後、サードパーティと共に成長させていきたいというアップルからのメッセージなんでしょうか。でも、成功例が出てきたら、買収して吸収してしまいそうですが・・・

そして、HomeKit で日本のメーカーが一切なかったのが非常に気になる点です。日本でもメーカーごとに規格が乱立している中で、アップルが世界の家電メーカーの再編に影響を与えてくるかもしれません。これもデータはアップルが一元管理するわけで、今後どうなっていくのか非常に楽しみです。

OS X Yosemite

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最後に OS X も発表されました。コードネームは、Yosemite ということで、PowerMac G3 のコードネームと同じですが、あまりそれは気にしていないようですね。Mavericks では OS 内部の改善が行われましたが、Yosemite は UI の改善がメインのようです。Intel の Tick-Tock と同じように、チック(内部改善)とタック(UI 改善)に分けて、毎年繰り返しているんでしょうか。

アイコン、フォントの変更など iOS 7 へ近いデザインへ変更されているのと、Spotlight の強化で Alfred に似たデザインになっていたのには少しビックリした・・・

Continuity

アップル製品を使うことで、デバイスの垣根を超えて作業が継続できることがポイントで、クレイグが OS X と iOS を担当することになって実現できたことなんだろうと思われる。アップル製品への囲い込みと Mac の売上増を狙っているのでしょうか。

1社で OS、コンパイラ、言語、デバイス、クラウドと地道に開発が続けられており、他社とのアドバンテージはさらに広がって来ているように感じました。たくさんの失敗の中で、これだけのアウトプットがされていることを考えると、人材の層の厚さと継続して開発していける環境が用意されているのだと思います。秋からは、今回発表されたソフトウェアが載ったデバイスが発表されていくことになり、新しい分野のデバイスが出てくるか楽しみなところです。

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