電子の配置とイオン


電子配置

電子はいくつかの層に分かれて存在していて、その層を電子殻という。電子殻は原子核に近い方からK殻、L殻、M殻…といい、この順に電子のもつエネル ギーは大きくなっていく。電子はエネルギーの低いK殻から順に入っていく。各電子殻に入ることのできる電子の数には限度があり、K殻は2個、L殻は8個、 M殻は18個でいっぱいになる。

希ガスの電子配置

He、Ne、Ar、Kr、Xe、Rnの6元素は希ガスという。希ガスはほとんど化合物をつくらず、原子のままで安定している。
Heのk殻は2個、NeのL殻は8個の電子で満たされていて、それ以上の電子が入ることはできない。このように電子がいっぱいに満たされた電子殻を閉殻 といい、とても安定した状態である。Ar、Kr、Xeの最も外側の電子殻には、ネオンのL殻と同じように8個の電子が入っており、このような電子配置は、 閉殻と同じように安定した化学的性質を示すので、希ガス構造となる。

価電子

原子の最も外側の電子殻に入っている1~7個の電子を価電子といい、原子がイオンになったり、原子が結合するときに重要な役割を果たす。そのため、価電 子の数が同じ元素は、よく似た化学的性質を示す。希ガスは結合力がほとんどないので、それらの最外電子殻は価電子とはならない。

イオン

希ガス以外の原子は電子を放出か吸収して、陽イオンか陰イオンになり、希ガスと同じ電子配置となって安定化する。

イオン化エネルギー

原子1個から1個の電子を取り去って、一価の陽イオンにするのに必要なエネルギーをイオン化エネルギーという。イオン化エネルギーが小さいほど、陽イオ ンになりやすい。周期表の左側に位置する元素は、イオン化エネルギーが小さい。

電子親和力

原子が1個の電子を受け取って、一価の陰イオンになるときに放出されるエネルギーを電子親和力という。電子親和力の大きいほど、陰イオンになりやすい。周期表の右側に位置する元素は、電子親和力が大きい。

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